ITmediaによると、総務省が開催した携帯電話会社の乗り換えを促すための有識者会議が報告書をまとめたらしい。

報告書では、携帯電話端末を自社回線でしか通信できなくする「SIMロック」の原則禁止を求めた。平成26年にロックの解除を義務化するなどしてきたが、ロック機能そのものを無くすべきだとした。

どうやら、SIMロックの禁止まで踏み込んだらしく。でも、そこまで踏み込むなら、端末とネットワークのバンドルを止めさせるところまで踏み込んじゃえばという気がしないでもない。

ケータイの普及期においては、端末とネットワークをバンドルすることでケータイの普及を促進するってことが正当性を持っていたと思うけど、今の日本のケータイ市場のように飽和するくらいまでケータイが普及してしまうと、この手のメリットは薄くなるのは必然だろうし。一方で、ネットワークの市場においてバンドルするデメリットが出てくるのは確かではないかと思う。例えば、端末の費用をネットワーク利用料に一部転嫁する形で顧客をつなぎとめるとか、端末を割賦で販売することができる金融的優位性がある、古式ゆかしいMNOと、新進気鋭のMVNOが同じ条件でネットワーク市場で競争することは難しいだろうなという印象はある。

それに、キャリア端末の一部は、自社のネットワークのバンドに合わせるカスタマイズを実施した端末なわけで、SIMロックが外れて別のキャリアに接続できたとしても、そのネットワークで快適に使えるかどうかはまた別の話になってしまうあたり、SIMロックをはじめとして端末にまつわる話のディテールの奥の深さはなかなか果てしない気もするし、全てのキャリア端末がそうというわけでもないあたりもまたややこしい訳だけど。